2020年に始まったコロナ禍を巡る騒動の中で盛んに連呼されたのが「専門家」という言葉でした。特に政府やメディアが医療の専門家に経済・社会制度設計のあり方などについて問い始めたあたりからその混乱に拍車がかかります。加えて、2011年の東北地方太平洋沖地震における「専門家の糾弾」と異なるのは、ソーシャルメディア上で出現した様々な“専門家”の意見が跳梁跋扈することで、さらに「何を信じていいのかよくわからない」状態になったことでしょう。しかし、専門家を問い詰める私たち自身が実は「何かの専門家」であることも多く、これが「専門性って何だろう、専門家は(今後)どうあるべきなんだろう」という素朴な疑問に帰着します。この疑問に答えるべく、村上陽一郎氏主宰のオンラインセミナーを何度か繰り返し、そこにご協力いただいたゲストの方々に改めて論考をお願いし、村上氏に全体を編纂していただいたのが今回晶文社から発行された『「専門家」とは誰か』です。
来たる2月19日(日曜)の14時から開催する「専門家とは誰か〜専門家と専門性の実態を問う」はこの書籍に寄稿いただいた(瀬川氏を除く)8人が集結し、今後の専門家のあり方等について議論を深めるオンラインイベントです。この8人の精鋭が揃う機会は滅多にないと思います。『「専門家」とは誰か』をご一読いただければより理解が深まるでしょう。無料で開催しますのでぜひご参加ください。(竹田)
1936年東京生まれ。科学史家、科学哲学者。東京大学教養学部卒業、同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。東京大学教養学部教授、同先端科学技術研究センター長、国際基督教大学教養学部教授、東洋英和女学院大学学長などを歴任。東京大学名誉教授、国際基督教大学名誉教授。『ペスト大流行』『コロナ後の世界を生きる』(ともに岩波新書)、『科学の現代を問う』(講談社現代新書)、『あらためて教養とは』(新潮文庫)、『人間にとって科学とは何か』(新潮選書)、『死ねない時代の哲学』(文春新書)など著書多数。
1962年、東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授。東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程修了。東京大学助手、科学技術庁科学技術政策研究所主任研究官、東京大学大学院総合文化研究科広域システム科学系助教授を経て、2010年、同教授。2013年、東京大学総長補佐。2015~2016年より東京大学大学院総合文化研究科副研究科長・教養学部副学部長。2021年~東京大学理事・副学長。学術博士。著書に『科学者の社会的責任』(岩波科学ライブラリー)、共著に『東大教授が考えるあたらしい教養』(幻冬舎新書)など。
1975年、東京生まれ。広島大学准教授、名古屋大学教授を経て、東京大学大学院教育学研究科教授。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。博士(学術)。専門は科学史。日本学術会議連携会員。著書に『科学アカデミーと「有用な科学」―フォントネルの夢からコンドルセのユートピアへ』(名古屋大学出版会 [第33回サントリー学芸賞受賞])、『文系と理系はなぜ分かれたのか』(星海社新書)など。
1960年、広島市生まれ。京都大学大学院教育学研究科教授。専門はメディア史、大衆文化論。ミュンヘン大学近代史研究所留学後、京都大学大学院博士課程単位取得退学。『「キング」の時代』(岩波書店)で第24回日本出版学会学会賞、第25回サントリー学芸賞を、『言論統制』(中公新書)で第34回吉田茂賞を、『ファシスト的公共性』(岩波書店)で第72回毎日出版文化賞を受賞。
1967年生まれ。千葉大学大学院国際学術研究院教授。専門は科学史、科学技術社会論。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学、博士(工学)。旧・科学技術庁、旧・三菱化学生命科学研究所、東大ならびに阪大特任准教授などを経て、現職。朝日新聞客員論説委員。著書に『食品リスク』(弘文堂)、『文明探偵の冒険』(講談社現代新書)、『リスクの正体』(岩波新書)、共著に『没落する文明』(集英社新書)など。
1961年生まれ。同志社大学大学院社会学研究科教授。専門は比較文化史。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。国際日本文化研究センター客員助教授等をへて、現職。著書に『遊女の文化史(中公新書)』、『「色」と「愛」の比較文化史』(第20回サントリー学芸賞、第24回山崎賞、岩波書店)、『「女装と男装」の文化史』(講談社選書メチエ)、『明治〈美人〉論』(NHKブックス)、『美少年尽くし』(改訂版、平凡社ライブラリー)、『男の絆の比較文化史』(岩波書店)ほか。
1954年生まれ。大阪大学名誉教授およびCOデザインセンター特任教授。専門は、科学哲学・科学技術社会論。東京大学大学院理学系研究科博士課程単位取得退学。大阪大学理事・副学長を歴任後に現職。著書に、『誰が科学技術について考えるのか』(名古屋大学出版会)、『トランス・サイエンスの時代』(NTT出版ライブラリーレゾナント)など。
京都大学学術出版会専務理事・編集長。京都大学文学部および教育学部に学ぶ。出版社勤務を経て二〇〇六年より現職。著書に、『学術書を読む』、『学術書を書く』(高瀬桃子との共著)、『世界大学ランキングと知の序列化』(分担執筆)(以上、京都大学学術出版会)、『京都の「戦争遺跡」をめぐる』(池田一郎との共著)(地方・小出版流通センター、新装版:つむぎ出版)など。
Zoomを利用したオンラインイベントです。申し込みいただいた方にZoomURLをお送りします。
時間帯を区切って個別に講義を提供する一般的な形式ではなく、最初から最後まで8人が雑談します。
内容は高度ですが形式はお気楽です。
事前に『「専門家」とは誰か』をご一読いただくければより理解が深まるかと思います。
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