日本の近代教育はその黎明期から、明確なジェンダーによる非対称性を有していた。近代教育の出発点としての学制(明治5年)は、一見、女子・男子の教育の機会均等を打ち出しながら、女子教育の目的を「母」になるためと見定めた。明治初期の最初の女子留学生は、国際的視点をもつ女性の養成を一時的に目標としたが、その経験を帰国後、直接的社会実践に実らせたのは津田梅子のみであった。
明治32年の高等女学校令が示した「良妻賢母主義」教育は、女性の生計労働と家庭における母・妻としての役割の両立不可能性を基盤とし、明治の新聞、雑誌記事にみる女子教育観も、職業教育としての「専門」教育ではなく、「高等の奥様」として、「家庭」において夫を支えるための教育を主流としている(佐伯2012)。
2021年 7月30日 開催
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大学で歴史学(西洋中世史ゼミ)、大学院で比較文学比較文化を学び、国際日本文化研究センター客員助教授等を経て、現在、同志社大学大学院社会学研究科、社会学部メディア学科教授。学術博士(東京大学)。著書に『「色」と「愛」の比較文化史』(岩波書店、サントリー学芸賞、山崎賞)、『「女装と男装」の文化史』(講談社メチエ)『男の絆の比較文化史』(岩波書店)ほか。
1936年東京生まれ。科学史家、科学哲学者。東京大学教養学部卒業、同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。東京大学教養学部教授、同先端科学技術研究センター長、国際基督教大学教養学部教授、東洋英和女学院大学学長などを歴任。東京大学名誉教授、国際基督教大学名誉教授。『ペスト大流行』『コロナ後の世界を生きる』(ともに岩波新書)、『科学の現代を問う』(講談社現代新書)、『あらためて教養とは』(新潮文庫)、『人間にとって科学とは何か』(新潮選書)、『死ねない時代の哲学』(文春新書)など著書多数。
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